室伏広治さんの講演をききにいってきました!

記録を出し続ける、その選手活動はもちろんのこと、
彼の社会貢献活動がとても気になっていました。

ブログでは通り一遍のレポートしかでていなくて、
彼の想いや信念、理念をしりたかったのです。
室伏選手、先々月にご結婚されましたが、お相手は一般人の女性だそう。
わたしにもチャンスはあったのね。(・・・遠い目)

講演中のメモ、読みにくいかもしれませんが、
いつもながら書き換えるとなにか違ってしまいそうなのでナマのままアップします!

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7月8日 室伏さんの話

ダイバーシティ。トゥモロー ビジョンがきまった。

世界一になることと、並んで大変なのは継続して出場すること。
まず、でなきゃならない 怪我のないように。飽きてもならない。
そこに価値を見出して、磨いて行く。
では、モチベーションはどうあげるの?年齢の壁はどう超えるの?
という話から。

★研究について
大学のマスター時代から研究に興味。ハンマーのセンサーをはんだで手作り。
研究を続けた理由は、競技だけやるよりはいいのでは?自分が実験台になれるし、
と思ったから。
ハンマーを振り切る瞬間のインパクトは300キロ。
それを35度の角度の中で手放し、トップアスリートは80mの飛距離。
それには 0.04秒の間に投げる。その瞬間のために、4年間練習をしつづけている。
音の練習方法の研究も。ピコピコのピッチが狭くなると動作も加速している。
もっと音をきれいにとかできる方がいたら、ぜひ研究室に連絡ください。

★フィロソフィーについて
良き師につくことが大切。正しい運動学習。
間違った動きをいったんインプットすると、習得にいたらず直すだけで大変な時間。
最初に教わる人の影響が、のちに大きく影響を及ぼすので、
できるだけ早い時期に、良い動きを、自分のものとして身につける。
スランプが少なく順調にのびてゆける。

★室伏選手のお父さんも選手
これは、お父さんのエピソード。
練習は裏切らないことを信じていたが、やればやるほど記録がおちたことも。
フォームを八ミリにとると、思うのと正反対のことをしていた。
一切の練習をはなれ、ひたすらフォームの矯正の日々。やがて記録を更新。
科学は自分を客観的にみて(正しい目をもった人にみてもらって)、
改良するためのもの、記録を伸ばす方法。

★鑑定士の話
良い鑑定士は、いいものだけをみていいとわかる。
悪い鑑定士は、悪いものと比較していいものを見分ける。
いいものしか見るな。僕はそう教わったので、友達が投げるところをみず、
投げる間後ろを向いていたので、こらっお前友達を応援しないなんてなんだ!
とせんせいにしかられた(笑)

★不易流行(芭蕉)
本質的なものの中に、変化するものをとりいれる。時代に合わせて変化する。
長く競技をするための秘訣。

★27歳でオリンピックで金メダルを取ったときの、室伏選手の言葉。
「成功体験が邪魔をする」
36、37歳でもメダルをとることができたが、実は筋力はおち、引退もささやかれ。
そんなときこそピーキング。
先を見据えて、違うやり方をとりいれる。冷静に。
現在の自分にとってベストなやり方はなにかをみて、改革する勇気をもつ。

★一投一念
ものを生き物として捉える。日本人ならではの感覚。
自分がハンマーの中に入る。道具と一体になるような感覚を常に目指して。
道具を磨いているかと聞かれ、そういえば磨いていないと思い、
雑貨屋さんでママレモン購入し、はじめはそれで磨いてた(笑)
自分も体の一部だと思うくらいに、それくらいに、道具と一つになること。

★「目的目標を定めて、最短の起動を描け」(クラウセヴィッツ)
目的目標はなんなのかをシャープにする。
やりたくても、やりやすそうでも、力がつきそうだと思っても、
それで得られるものがなにもないなら、それを選択しちゃいけない。

★引退間近で力を出せたきっかけ。
被災地のこどもたちを勇気付けたくて、金メダルをとる約束をした。
メダルが目的目標、というのでは力がでない。目標はひとのためっていうのが一番いい。
わたしは小さなスケールではずかしいが、
そういえばヨガ仲間の、美人の女の子のkちゃんが、
一緒にトレーニングをしていて、ゼイゼイハアハアしててつらいのに、
みんながこんなに心が磨かれたら、きっと世界がよくなるねーといって、
嬉し泣きする美しい横顔をみて、こんな世の中間違ってる、と思った。
こんなきれいなこが、こんなことで泣くほど嬉しいなんて、
世の中の方が間違ってると思った。2007年のこと。

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室伏広治選手、かっこよくて、おもしろくて、意外とふつうなところもあるけど、
どう考えてもすっごい人。大ファンになりました。
研究は一般にも開かれているのか、ご興味のある方、ご連絡くださいと
何度かおっしゃっていました。やーん、してみようかなー?